泌尿器科専門医がお答えします

Q.

【 健診で尿潜血陽性 】 52歳女性です。目でみても尿は赤くないのですが、健康診断の尿検査でいつも尿潜血 ±~+を指摘されます。健診の先生には、前年から変わらないので様子を見てよいが、心配なら泌尿器科の先生に診てもらうようにと言われます。症状がないのですが、受診は必要でしょうか? 

A.

血尿は大きく分けて、症状がある血尿とない血尿に分けて診断します 。症状とは、排尿の時の痛みや、片方の背中が痛くなる。または高熱もあるなどが典型例で、それぞれ膀胱炎、尿管結石、腎盂腎炎のような良性の病気を考 えます。症状のない血尿は、尿の流れ道に出血の原因があることを疑い、尿の 流れ道に異常がないこと、特にがんが無いことを確認します。具体的には腎臓 や膀胱の超音波断層検査。尿に赤血球が実際に出ているか顕微鏡で確認する検 査。尿にがん細胞がないか調べる尿細胞診などを行います。これらの検査で血 尿の原因が見つからなければ、1年後の健診での検尿で経過観察となります。 血尿を毎年指摘されると、今年も大丈夫と思われる方もいると思いますが、後 になって尿の流れ道にがんが出来て、そのがんからの血尿が見落とされ、時間 が経過してがんが進行してから見つかった。などいう事は避けたいところです 。血尿を指摘された場合は健診担当の先生と相談し、泌尿器科で精査すること をお勧めします。

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