お父様が過去に前立腺癌と診断されており、ご自身も 45歳となられ今後の前立腺癌リスクについて大変ご心配なことと思います。悪性腫瘍の中で前立腺癌は遺伝的要因が高いとされており、第一度近親者(両親や子供、兄弟)に1人の前立腺癌患者がいる場合、前立腺癌罹患リスク(前立腺癌を発症するリスク)は約 2.46 倍から 5.6 倍とされる結果があります。日本泌尿器科学会の前立腺がん検診ガイドラインでも、通常は50歳からの検診開始を推奨しておりますが、家族歴を有する場合は45歳からの検診開始を推奨しており、まずは一度 PSA 検査を受けられては如何でしょうか。採血の結果、PSA 4.0ng/mL以上あるいは年齢階層別 PSA 基準値(64歳以下は 3.0ng/mL)を超えている場合は更に検査を進めて頂き、PSA 基準値以下では一定期間を空けての再検査が推奨されています。前立腺癌も治療方法が大きく進歩しており、早期の段階では生活の質を保ちながら根治できる方法が選択できるようになってきております。まずはご自身の現在の PSA 値(基礎値)をご確認されることをお勧め致します。